わたしたちのことを知っているものはいない
Othersという演劇を拝見したんですが
たまらぬ良さでした。
世に「演劇」と呼ばれているものよりも音楽のライブに近く
台詞は音で、照明や音響は役者を映えさせるためのものではなく主役そのものです。
見慣れた演劇は、観客席と舞台の間に乗り越えられないはっきりと線があって
上演中にドアがあいたら簡単に壊れてしまうものですが
この舞台は日常の延長上にあるような、久しぶりに会った人と話しているような感覚におちいりました。
それでいて、日常の退屈さのない、密やかで精緻なショーでもありました。
そして会場がもう最高です。
会場の桜台poolはもと地下貯水池?だったものを
ライブスペースに改造した、地下1、2階吹き抜けの稀有な場所。
コンクリート打ちっぱなしの空間では
壁に描ける、天井から落とせる、火がたける、水をまけるという
小劇場ではめったにできない行為をだいたいなんでもできるスペースだそうで
その場所をフル活用して正になんでもしていました。
普段見慣れていないものを見せてもらえる、というのは
エンターテインメントの中心にある楽しさなのだと思いますが
それを作れるのはポップな音楽や一糸乱れぬダンスだけではないと
勇気をもらって帰りました。
帰ってバランスをとるために、Amazonで『バーレスク』を観て寝ました。